昨今、多くのインターネットサービスプロバイダ（インターネット接続業者、以下「プロバイダ」といいます）において、Outbound Port 25 Blockingと呼ばれる、迷惑メールの送信規制が導入されております。この影響により、プロバイダがOutbound Port 25 Blockingを開始した日から突然AISNETのメールサーバからメールの送信ができなくなるという状況が発生します。Outbound Port 25 Blockingの影響はAISNETのみならず、プロバイダのメールサーバ以外のメールサーバからメールを送信しようとした場合に発生します。 　近年増加の一途を辿る迷惑メールは、プロバイダが用意するメールサーバを経由せずに、直接送信されるケースが多くなっています。そのため、プロバイダのメールサーバを利用しないメールの送信に対して一定の制限を加えることにより、迷惑メールの送信を抑制しようとする取り組みがOutbound Port 25 Blocking（以下「OP25B」といいます）です。 　具体的な方法としては、メール送信時に一般的に利用される25番ポート（Port25）及び送信経路を監視し、特定条件のメールの送信を制限します。制限の条件は２つに大別され、携帯電話事業者の送信メールサーバ（以下「SMTPサーバ」）宛に送信されるメールのみを制限する場合と、プロバイダのネットワーク外にあるSMTPサーバ宛に送信されるメールすべてを制限する場合があります。前者の場合は携帯電話宛のメールのみが規制の対象となりますが、後者の場合はプロバイダのメールサーバ以外を利用したメールの送信ができなくなります。（図1） 　最近の動向としては、業界団体を中心として後者のプロバイダのネットワーク外にあるSMTPサーバを規制するケースが増えており、プロバイダのメールサーバ以外のSMTPサーバを利用するにはメールソフトの設定変更等、利用者側による対応が必要になります。 図1　プロバイダのネットワーク外にあるSMTPサーバを規制するOP25B 　メールが突然送信できなくなった場合、まずはじめに本当にプロバイダがOP25Bを開始したのかどうか、プロバイダのホームページ等で確認してください。プロバイダがOP25Bを行っていない場合、メールが送信できなくなる前にインストールしたセキュリティソフトが原因となっているケースがございます。また、プロバイダがOP25Bを行っている場合でも、携帯電話事業者のSMTPサーバのみを規制対象としている場合は、AISNETのSMTPサーバの利用には影響がないため、他に原因がある可能性がございます。 　プロバイダがプロバイダ外部のSMTPサーバを規制するOP25Bを行っていた場合、25番ポートを利用してAISNETの送信メールサーバからメールを送信することはできません。AISNETはOP25Bへの対応として、メールソフトからのメール送信を受け付けるための専用ポート「Submissionポート」をご用意しております。メールソフトのSMTPサーバのポート番号の設定を、25番からSubmissionポートの「587番」に変更していただくことによって、OP25Bによる送信規制を回避し、AISNETのSMTPサーバを利用してールを送信することができるようになります。（図2、図3） また、メールソフトによっては「Submissionポートを使用する」という設定項目がある場合があります。その場合は、「Submissionポートを使用する」という項目にチェックを入れるなどして、メール送信時にSubmissionポートを使用するように設定してください。（図4） 図2　OP25B規制下でSubmissionポートを利用したメールの送信 図3　メールソフトの設定画面例（Outlook Express） 図4　メールソフトの設定画面例（Eudora）